Wednesday, 2 May 2012

黄色い目の魚

最近佐藤多佳子さんの「黄色い目の魚」を読みました。佐藤多佳子さんの本を読むのは2作目。心の中を表す表現力がすごい。
読んだ後は佐藤多佳子さんの文章口調になってしまいそうなぐらい心の中の全部吐き出すような感じ。私個人的に、本を読むときは裏表紙とかサマリーとかを一切読まず先入観なしで読み始めたい人なので、あんまり詳しく本の内容は紹介しませんが、言葉がぐんぐん入ってくる感じです。


もう、後ろの扉は閉ざされている。
でも、前の扉には手が届かなくて、暗い廊下のような場所で、私はぼんやりたたずんでいる。
前に歩いていけるだろうか。
次の扉を開けるだろうか。


風が冷たい。耳、ちぎれそう。何かが動いている。変わっていく。留まらずに走っていく。乱暴な風のように。私。私のまわりの何もかもが。風に向かってぐいぐい歩いていた。もっと吹け。びゅんびゅん吹け。強く吹け。



何度も何度も読み返したい本に出会えました。


2 comments:

  1. 最近本を読む時間が少なくて…。
    むしろ意識的に作らないといけないのですが…。
    そういう意味では電車通勤は読書に最適ですね。

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    1. 家にいるとどうしても他のことに気がいって、本をゆっくり読めないので電車の中は最高ですよ。でも日本語の本が手に入りにくいのがとっても大変ですが・・。日本語の表現は日本語にしかないですからねぇ。

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