Wednesday 23 May 2012

舟を編む

三浦しをんさんの「舟を編む」を読み終えました。本当に素晴らしい。
辞書編集部で新しい辞書「大渡海」を編む人たちのお話です。


母国語ではない第二言語を使う環境で生活していると、言葉というものにものすごく敏感になってきたように思います。
聞き間違い、言い間違い、誤解、言葉の誤用が毎日繰り返されて、それでも自分が表現できる範囲を少しでも広げようとする日々。
当然、辞書もよく使います。昔は電子辞書ではない辞書を一生懸命引いたものですが、最近は電子辞書にお世話になりっぱなし。
和英・英和・英英とあとは、広辞苑や国語辞典もよくひくようになりました。
日本語でも、地域差や方言や年代の差などで言葉の表現というものはずいぶん変わるものです。



「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。
もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。
もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」


「言葉の海は広く深い」


言葉は生き物。時代とともに常に変化していてつかんだと思ったらこぼれていくもの。



たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。
歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差し出したとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。
一緒に鏡を覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。



言葉の持つ力。傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力に自覚的になってから、
自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。


大切な家族や友人やたくさんの人の言葉を理解するということはその人たちのことを理解するということ。
もっともっと自分のことを理解してもらうためにも、自分の周りの人達を理解するためにも毎日毎日新しい言葉や表現に目を向けていきたいなと思った私でした。
私はよく歌詞が頭の中に思い浮かんで、それ以上に自分の言いたいことを言い表した表現はない!と思うことがあるのですが、
それもまぁある意味では自分語録にして相手に伝えることができたらと思う日々。


2 comments:

  1. 話題の本、さっそく読まれたんですね!
    早い!
    母国語でない場所で生活していると、
    思いっきり母国語で話したくなることもあるでしょう。
    少なくとも僕のブログで日本の景色を楽しんでもらえればと思っています。

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    1. あ、本屋大賞になってたんですね!たなかさんに言われるまで知りませんでした・・。1月に日本に帰った時に買って帰ってきたのですが、楽しみすぎてずっととっておいて最近ようやく読んだのです。思いっきり日本語というより思いっきり関西弁で話したいですね(笑)ブログの写真楽しみにしています☆

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